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- ■両性具有迷宮
- 双葉社 2002/01/10 初版
- 本体価格 1900円(税別)
- 2002/02/21 記録
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「うちゅうじん?」
小説家の森奈津子がある日コンビニへ行くと、突如爆弾が破裂したような衝撃を受ける。
だが実際には何の被害もなく、いぶかしんだが暫く後に、自分に男性器が生えてしまっている
事に気が付いた。夢で出逢ったシロクマ型宇宙人が、自分たちがやった事であると説明
してくれた。それからすぐに、森奈津子の周辺で奇妙な連続殺人事件が発生する。
梗概だけ聞くと、西澤氏お得意のSFパズラかと思うのだが、内情は全く異なる。登場人物
自体、倉坂鬼一郎氏ら実在の人間であり、ミステリィ部分はとってつけただけに過ぎないのだ。
結局作者は、そういった自分の交友関係者を登場させたミステリィパロディを同人誌的感覚
で描いたに過ぎない。
ひたすら本筋には関係のないセックスシーンが続きウンザリするし、それも前述の同人誌的
の印象を後押しするものでしかない。読んでいてぐいぐい引き込まれる事もなければ、
感情移入する事もなく、そしてラストシーンは肩すかしとしか思われない。
西澤作品ワースト、と云って良いかも知れない。
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