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- ■禍記
- 徳間書店 2001/04/30 初版
- 本体価格 1600円 + (税)
- 2002/03/26 記録
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「いえ。皆さん、健康に死んでおられます」
連作短編に「禍記」という枠を付けて、長編ともとれるような形になっている。ホラー作品なので
作品単位の評価は割愛するが、その総てにある共通点が見られる。それは、テーマとなっている
存在がこの現実世界に存在しないこと。妖怪や、天使、あの世であったりする。
ではスーパーナチュラルなホラーなのかというと、そうは云いきれない。オチになる部分がなかなか
捻ったプロットになっているからだ。しかし人によってはそれが興醒めになってしまうかもしれない。
意外性、と云う意味では確かに有効かもしれないが、場合によってはそれまで構築してきた
世界観を根底から破壊してしまう可能性もある。
個人的にはホラー要素がここまで強い話でこういったオチの持って行き方は逆効果なのでは
ないかと思うのだけど。
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